「88D PROは自分には硬すぎるけれど、あの攻撃力は捨てがたい……」 そう考えている方に最適なのが、普及モデルであるアストロクス88D GAMEです。
しかし、「プロの劣化版ではないか?」と不安に思う方も多いはず。
そこで本記事では、バド歴25年・試打100本超の筆者が、88DのPROとGAMEを実打レビュー。
後衛特化モデルとしての「真の威力」を徹底比較し、スペック表だけでは分からない「中級者が最もスマッシュを沈められる理由」を解き明かします。
【結論】アストロクス88D「GAME」「TOUR」「PRO」どれを選ぶべき?

一目でわかるスペック&推奨プレイヤー比較表
結論から言うと、
「圧倒的な一撃を求める上級者はPRO」
「PROに近い性能を賢く手に入れたい中・上級者はTOUR」
「扱いやすさとコスパを重視する初・中級者はGAME」
が正解です。
「PROは自分にはハードルが高いかも…」と迷っているなら、まずはこの比較表を見てください。
※スマホを横に傾けると見やすくなります
| 比較項目 | 88D PRO | 88D TOUR | 88D GAME |
| シャフトの硬さ | 硬い(打球感がクリア) | やや硬い | 普通(しなって飛ぶ) |
| 主な素材 | 高弾性カーボン | 高弾性カーボン | グラファイト |
| 打球感 | シャープで力強い | 弾きが良くマイルドな打感 | 柔らかめで弾きが良い |
| 推奨レベル | 上級者・ハードヒッター | 中級〜上級者 | 中級者・レディース |
| 生産国 | 日本 | 台湾 | 台湾 |
| 価格の目安 | 約30,000円前後 | 約25,000円前後 | 約20,000円前後 |
迷ったらこう選ぶ!判断基準のまとめ
スペックの違いは分かっても、いざ購入するとなると迷うものです。
これまで100本以上の試打を重ねてきた私の結論として、失敗しないための「最終判断基準」をプレースタイル別にまとめました。
「88D PRO」を選ぶべき人の基準
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「一撃」の破壊力を極めたい人: スイングスピードが速く、硬いシャフトをしっかりしならせることができるなら、PROの爆発力は唯一無二です。
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競技志向のハードヒッター: 1ミリのコントロールミスも許されないシビアな試合に出るなら、面安定性の高いPROが相棒になります。
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「最高峰」の打球感を味わいたい人: 日本製のクオリティと、手に伝わるクリアな打球感にこだわりたいなら、迷わずPROです。
「88D TOUR」を選ぶべき人の基準
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「PROは硬すぎるが、GAMEでは物足りない」中上級者: PROに近い素材(Namd等)を使いつつ、わずかに扱いやすく調整されています。「背伸びしすぎず、でも競技モデルの威力は欲しい」という方に最適です。
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賢く高性能を手に入れたい人: 生産国を海外にすることで価格を抑えつつ、テクノロジーは上位互換。PRO1本の価格で、TOURなら予備を含めた複数本持ちも現実的になります。
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「弾き」と「球持ち」の両立を求める人: PROほどの重厚感はありませんが、その分シャトルを弾き出すスピード感があり、連続スマッシュやドライブの操作性を重視するダブルスプレーヤーに向いています。
「88D GAME」を選ぶべき人の基準
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最後まで振り切りたい人: PROだと試合後半に腕が疲れてスマッシュがネットにかかる…という経験があるなら、適度にしなるGAMEの方が結果的に勝てるラケットになります。
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コスパと性能のバランスを重視する学生・社会人: 「PRO1本の予算で、GAMEを2本揃えてガットの状態を常にベストに保つ」という戦略は、部活動生や市民プレーヤーにとって非常に賢い選択です。
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楽に飛ばして攻撃を組み立てたい人: 少ない筋力でもシャフトが助けてくれるため、レシーブを奥まで飛ばし、体勢を整えてから得意のスマッシュへ繋げたい中級者に最適です。
無理に硬いラケットを使ってフォームを崩したり、肩を痛めたりするリスクを負うよりも、
今の自分の筋力に合ったモデル(GAME)、
あるいは背伸びしすぎない競技モデル(TOUR)でしっかり「シャトルを捉えて沈める感覚」を養うほうが、
上達への近道になるからです。
【必見】動画で見る実打レビュー
テキストだけでは伝えきれない「打球音」や「しなりの挙動」については、バドミントン界で圧倒的な支持を得ている「バドテツTV」様の解説動画が非常に参考になります。
数多くのラケットを試打されてきたバドテツ様ならではの鋭い視点は、納得感バツグンです。
購入を迷っている方は、ぜひこちらの動画も併せてチェックしてみてください! (※大変参考になる動画ですので、ぜひチャンネル登録もおすすめします)
実打して分かった「打球感」と「操作性」の決定的な違い

シャフトの「しなり」と「復元力」の差
アストロクス88Dの3機種を使い比べた際、最も大きな違いを感じるのがシャフトの挙動です。
どちらも「ヘッドヘビーで攻める」というコンセプトは同じですが、パワーの出し方が根本的に違います。
PRO:強靭なしなりと「爆発的な復元力」
PROモデルには最新素材の「2G-Namd Flex Force」が採用されています。
この素材の特徴は、「一瞬でしなり、猛烈な速さで戻る」こと。
スイングスピードが速いプレーヤーが叩き込むと、シャフトが強烈に復元し、シャトルを弾き飛ばします。
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打球感: 非常に硬く、クリアな手応え。
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メリット: パワーロスがゼロに近く、スマッシュの初速が劇的に上がる。
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注意点: スイングが遅いとシャフトがしならず、ただの「棒」のように感じて飛ばなくなります。
TOUR:鋭い弾きと「軽快な復元力」
TOURモデルもPROと同じ「2G-Namd Flex Force」を採用していますが、PROよりもわずかにシャフトの設計が調整されており、「PROほどの筋力は必要ないが、GAMEより鋭く戻る」という絶妙な味付けになっています。
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打球感: 硬めだが、PROよりもしなやかさを感じやすい。
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メリット: PROの爆発的な復元力を、より広い層が体感できる。連続スマッシュの振り抜きが良い。
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注意点: 「しなり」を活かすにはある程度のスイングスピードが必要。初級者が使うと、やはり硬さを感じる可能性があります。
GAME:ゆったりしたしなりと「マイルドな飛び」
対するGAMEモデルは、PROに比べてシャフトが柔らかく設計されています。
少ない筋力でも「溜め」**を作りやすく、スイングの力がゆっくりとシャトルに伝わる感覚です。
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打球感: 柔らかく、球持ちが良い。
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メリット: 軽い力でもシャフトがしなってくれるため、クリアが楽に奥まで飛ぶ。
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注意点: 腕力がある人がフルスイングすると、しなりすぎてインパクトのタイミングがズレたり、パワーが逃げたりすることがあります。
なぜ「しなり」が重要なのか?
後衛から連続攻撃を仕掛ける際、自分に合わないしなりのラケットを使うと、タイミングが狂いミスショットの原因になります。
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自分のスイングに「ラケットが合わせてくれる」のがGAME
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自分のスイングを「ラケットが助けつつ鋭く弾く」のがTOUR
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自分のスイングを「ラケットの限界まで引き上げる」のがPRO
スマッシュの伸びとレシーブの反応速度
アストロクス88Dは後衛向けラケットですが、現代のダブルスではレシーブの精度も欠かせません。
「攻めの伸び」と「守りの速さ」において、3モデルには明確な性格の差があります。
スマッシュ:鋭く突き刺さる「PRO」 vs 弾き飛ばす「TOUR」 vs 深く伸びる「GAME」
同じヘッドヘビーでも、シャトルの軌道に違いが出ます。
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PROの伸び: 打った瞬間に「バチン!」と弾き出す初速の速さが圧倒的です。球足が非常に速く、相手コートで急激に沈み込むため、レシーバーの手元でシャトルが「伸びてくる」感覚を与えます。
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TOURの伸び: PROに近い鋭い初速を持ちつつ、わずかにシャトルを「弾き出す」感覚が強めです。PROほど重厚ではありませんが、連続スマッシュを打つ際の「振り抜きの軽さ」と「スピード感」のバランスに優れています。
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GAMEの伸び: シャフトの溜めを活かして、シャトルをしっかり押し出す感覚です。初速こそ上位モデルに譲りますが、打ち負けずに安定してコート奥まで飛んでいくため、連続攻撃でも精度を保ちやすいのが特徴です。
レシーブ:面で抑える「PRO」 vs 弾き返す「TOUR」 vs しなりで飛ばす「GAME」
重量バランスは似ていますが、操作感覚は大きく異なります。
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PROの反応速度: フレームの剛性が非常に高く、相手の強打に対しても面がブレません。コンパクトな振りの「面作り」だけで鋭くカウンターを返せますが、ヘッドの重さを制御するリストの強さが必要です。
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TOURの反応速度: PROの面安定性と、GAMEの扱いやすさを合わせたような感触です。強い打球に対しても面が負けず、かつシャフトの反発を利用してパン!と弾き返すようなレシーブがしやすくなっています。
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GAMEの反応速度: 上位機種に比べフレームに柔らかさがある分、食いつきが良く、当てるだけでシャトルを高く奥まで運んでくれます。左右の揺さぶりに対してもシャフトのしなりが「遊び」となって助けてくれるため、振り遅れにくい設計です。
特に、「PROの性能には憧れるけど、レシーブの操作性が不安」という方にとって、TOURは非常に頼もしい選択肢になります。
搭載テクノロジーの違いがプレーに与える影響

PRO/TOURとGAMEの決定的な差は、ヨネックス最新のカーボン素材「2G-Namd Flex Force」が採用されているかどうかです。
この素材の有無が、スマッシュの「爆発力」を左右します。
PRO(新素材あり):異次元の反発力
最新素材により、シャフトが**「強烈にしなり、瞬時に戻る」のが特徴。
スイングスピードが速いほど、バネのような反発が生まれ、シャトルの初速を極限まで高めます。
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メリット: 鋭く突き刺さるような、重いスマッシュが打てる。
TOUR(新素材あり):鋭い反発と扱いやすさの両立
実はTOURモデルにも「2G-Namd Flex Force」が採用されています。PRO譲りの強烈な復元力を備えつつ、PROよりも少しだけ「しなり」を感じやすい設計になっているため、多くのプレーヤーが新素材の恩恵を受けられるのが強みです。
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メリット: PROに近い爆発的な弾きを、より少ない負担で体感できる。
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性格: 「最新素材のパワーは欲しいけれど、PROは硬すぎて扱いきれない」という層へのベストアンサーです。
GAME(新素材なし):素直なしなり
標準的なカーボンを使用しているため、素材の戻りがマイルド。
極端な反発がない分、インパクトのタイミングが合わせやすく、ミスショットを減らせます。
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メリット: 自分のスイングの力がそのままシャトルに伝わる安心感がある。
結論:素材の差は「爆速」か「安定」か
一撃で決める「爆速」を求めるなら新素材のPRO、ラリーを壊さず「安定」して攻めたいならGAMEを選ぶのが正解です。
【ターゲット別】あなたが選ぶべきはどれ?
PROがおすすめな人:上級者・ハードヒッター・競技志向
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より鋭い「弾き」と「パワー」を求める方 PROモデルはフレームの剛性が高く、スイングスピードが速いプレーヤーが叩いた時に、シャトルが一段階鋭く伸びます。
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正確なコントロールで試合を支配したい方 スイートエリアが最適化されており、厳しい体勢からでも狙ったコースへ正確に打ち抜く「芯の強さ」を求める競技者に最適です。
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週に何度も練習するハードな環境の方 素材の耐久性・反発の持続性が高く、激しい練習や試合を繰り返す現役プレーヤーにとって最高の相棒になります。
TOURがおすすめな人:中上級者・競技志向の学生・「賢い」実力派
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「PROは硬すぎるが、妥協はしたくない」中上級者: PROの爆発力(新素材2G-Namd)は欲しいけれど、最後まで振り切れる「扱いやすさ」も捨てがたい実力派プレーヤー。
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「複数本持ち」で試合に挑みたい競技者: PRO1本の予算でTOURなら予備を含めた複数本を揃えやすく、ガット切れのリスクを抑えて常にベストな状態で試合に出たい学生や社会人。
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最新テクノロジーを体感したいコスパ重視層: 生産国を海外にすることで価格を抑えつつ、PROと同等の最新素材を惜しみなく使った「中身の濃い」モデルを選びたい人。
GAMEがおすすめな人:中級者・部活動生・コスパ重視
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扱いやすさとパワーのバランスを重視する方 PROに比べてシャフトがわずかにしなりやすく設計されているため、まだスイングスピードが発展途上の中級者でも、しっかりとシャトルを奥まで飛ばせます。
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コストパフォーマンスを最優先したい学生・社会人の方 PROの設計思想(コンセプト)を色濃く受け継ぎながら、価格が抑えられています。「トップモデルに近い性能を安く手に入れたい」という方にぴったりです。
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これからもっと上達していきたい部活動生 「PROはまだ自分には硬すぎるかも…」と不安な方のステップアップに最適。無理なく振り抜けるため、フォームを崩さず上達をサポートしてくれます。
まとめ:後衛の威力を最大化する一振りを選ぼう
バドミントンの醍醐味である「後衛からの強烈な一撃」
その威力を引き出すには、単なるスペック選びを超え、自分のスタイルに「共鳴する一本」を見つけることが不可欠です。
本記事で紹介したレベル別の売上No.1モデルや各シリーズの特徴を参考に、あなたのポテンシャルを120%引き出す相棒を選び抜いてください。
最高のラケットを手にすれば、あなたのスマッシュはもっと速く、鋭く進化します。
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